2012年9月24日月曜日
恐怖の発酵豆
先日、常連さんから、他店で購入されたコーヒー豆の持ち込みがあった。
もちろん、自家焙煎のお店の豆。
当店では、このような他店で販売しているコーヒー豆の
持込はそれほど珍しくはない。
もちろん、持ち込むのは常連さん。
ボクの場合、
あまり(というよりほとんど)他所のコーヒー屋さんのことは知らないので、
こういう機会は、結構刺激になる。
今回の豆のプロフィールは詳しくは書けないけれど、
かなり高い品質のものにもかかわらず、発酵豆の混入がみられた。
乾燥式(ナチュラル精製)の豆だ。
コーヒー豆屋にとって、この発酵豆は恐怖の欠点豆だ。
東京の自家焙煎店で修業していたころ、
店のオーナーに口酸っぱく言われたのが、この発酵豆の除去だ。
発酵過程が進んでいるものは生豆の状態でわかるのだが、
それほど進んでいないものは分かりにくい。
焙煎すると・・・浅煎り~中煎り~中深煎り位・・・わかりやすくなるが、
発酵があまり進んでいない場合、深煎りにすると分かりにくくなる。
当店ではハンドピックを念入りにしているが、
100%取り除けるかというと、正直100%は無理である。
発酵の原因はいろいろ言われているが、
とにかく、この発酵豆が一粒でも入っていると、もう全部がだめだ。
一粒の発酵豆が入っていると、それを粉に挽いてしまうと、
挽いた粉全部に臭い・・・発酵臭・・・がうつってしまって、
とても飲めたものではない。
冒頭に言った持ち込みのナチュラル精製の豆の場合、
焙煎直後の豆の香りは悪くはなかったのだが、挽いたら完全にアウト。
残りの豆も、日に日に発酵臭に覆われてきて、コーヒー豆の香りがしない。
改めて、発酵豆の恐ろしさを感じた。
発酵豆・・・コーヒー豆屋にとって、非常に厄介な問題だ。
焙煎後のハンドピックは、
(大袈裟にいうと)この発酵豆の除去のためにやっているようなものだ。