スマトラ式精製って?
マンデリンの精製過程はとても変わっています。
具体的の流れはというと…
収穫したコーヒーチェリーをすぐ果肉除去し、
ヌメリを取るための水洗い・乾燥を手短に済ませ*、
生乾きのまま脱穀して生豆にしてしまいます。
その生豆をバイヤーなど業者がさらに乾燥させて仕上げます。
*取り出されたパーチメント表面のネメリをきれいに取るため水槽で1~2分水洗い。
水洗いしたパーチメントを1日ほどかけて天日乾燥させる。
なぜこのようなやり方になったかというと…
スコールが頻繁にあり、長い乾燥期間を必要とする「ナチュラル精製」は不可能。
インドネシアの多くは小規模零細農家で、
多くの設備を必要とする「ウォッシュト精製」も無理。
天日乾燥に十分な時間をかけることが難しいため、
生乾きの状態の生豆をつくることになったようです。
生乾き状態の生豆の水分率は、おおよそ50%くらい。
放っておくと腐ってしまいます。
交通事情の悪いスマトラ島では、
農家から買い取った生豆がバイヤーなど業者の乾燥工場*に
持ち込まれるまでに腐ってしまったり、
醗酵してしまったりすることが少なくないそうです。
*ここでさらに水分率13~14%程度に乾燥させてから輸出される
上質なマンデリンがとても少ないのは、このような理由からなんです。
このようにして、スマトラ式という独自の精製方法が生まれたのは、
島の自然環境、生産者、バイヤ-などのさまざまな状況によるものと思われます。
この独自の精製方法が
マンデリン独特なフレーバーを作り出す大きな一因となっているようです。
個性派コーヒーの代表格!!
マンデリン独特のどっしりとしたボディ、フレーバーは、
”中深煎り~深煎り” にするとその個性が顕著のようです。
スマトラ式(インドネシア・スマトラ島)
生豆のグリーンが濃い
(水分が多い)
脱穀の際、
臼式のものを使うため、
豆がプレスされて
つぶれて平たい形をしている