2009年9月24日木曜日

悲しい現実・・・コーヒーは置き去り

先日、知り合いと久しぶりにフレンチに行った。
雰囲気ばっちり、料理もそこそこ美味しかったのだが、
予想通り、締めくくりのコーヒーが・・・。

食後にあうよう、一応深煎りのコーヒーだったのだが、
その味が酷かった。
  ただ苦いだけ・・・
  ボディ感がまったくない・・・
最悪の深煎りコーヒーだ。

雰囲気のよい所でこのコーヒーの味だ。
家で飲んだ時のことを想像したら・・・
(家で飲むコーヒーを提供することを仕事とするボクは、
 身が引き締まる思いだ)

そのコーヒーと共に出されたデザートは4種類。
 ↑ デザートともに出されたのがコーヒーと言うべきか?
     ゆず風味のムース
     マンゴーアイス(シャーベット)
     チョコタルト
     モンブラン
全体的に甘めだったので、
なおさら、コーヒーにはボデイ感が必要なのに・・・。

しっかりと考えられたフルコースは、いわば、料理人の作品だ。
フルコースを、シェフのひとつの作品と考えれば、
最後まで手を抜いてはいけないと思う。
デザートに腕を振るったとすれば、
それにあうコーヒーを出さねばならないと思う。

コーヒーのプロであるボクにとっては、
コーヒーづくり、特に、ブレンドは自分の作品だと思っている。
なので、ブレンドをおいしいといって気に入ってくれるお客さんは、
抱きしめたくなるくらい嬉しいもんなんだ。
 (→ ブレンドについては、機会を改めてお話ししたい)

不幸にもホテルやフレンチ、イタリアンなどのレストランで
美味しいコーヒーに出合った試しがない。

今回も、そういった意味では、まぁ予想通りだけど・・・
これが、コーヒーの悲しい現実だ。

このように街中いたるところで出会う
  ”しいたげられたコーヒーたち
については、
映画「おいしいコーヒーの真実」のとこでも書いた。

コーヒーを愛するボクにとって、
まじめに取り組んでつくられていないコーヒーに
遭遇することほど悲しいことはない。

元々、フレンチやイタリアンなどのレストランに
コーヒーの味を求めてはいないが、
今回、少々辛口な表現になってしまったのは、
あくまでコーヒーを愛する立場から故のものだ。

この先明るい兆しが見えるわけでもないが、
ボクが唯一出来ることは、
まじめにコーヒーに取り組むことのみだ。
そうすれば、コーヒーの本当の美味しさを
知る人が増えていくハズなので・・・
  ・
  ・
  ・